進む、介護向けコミュニケーションロボットの開発

いま、介護の現場でもロボットの導入と活用に期待がかかっています。
そこで今回は、介護向けコミュニケーションロボットのお話。みなさんは、介護が必要になったとき、コミュニケーションロボットを利用したいと思いますか?

▼介護で活躍するロボットたち

すでに、施設のスタッフの作業負荷を軽減するために、利用者のベッドからの移乗介助や移動の支援、入浴支援、見守りなどでロボットが導入されている例が出ています。
こうした人の作業を機械的にサポートするロボットのほかに、注目されるのがコミュニケーションロボットの開発です。
コミュニケーションロボットとは人と会話のできるロボットを指しますが、よく知られている「Pepper」(ソフトバンク)のような人型ロボットのほか、ペット型、アザラシ型などタイプはいろいろあります。

AIの進歩によって、会話をしたり、質問に答えてくれるコミュニケーションロボットの開発が進んでいます。介護向けとしては、被介護者の人としてのより豊かな生活を支援したり、認知症の予防や改善を目指したコミュニケーションロボットの開発が進んでいます。

例えば、デイサービスなどで、日常会話のほかレクリエーションを単独で運営するロボットの導入例があります。高さ約40㎝の人型の“小さなエンターティナー”で、ダンスなどの運動ができ、相手の顔の特徴、名前などを憶えてくれます。
家庭用では、ぬいぐるみのペットといった外見の会話ロボットがあります。優れた音声認識エンジンを搭載し、ふつうに話しかけて会話ができ、クイズなどのレクリエーション、家電のコントロール、食事の時間などを声掛けで知らせるタイムサポートといった機能を備えています。

▼コミュニケーションロボットを利用したい人46%

さて、このコミュニケーションロボット、介護の現場で実際に効果を出せるのか? 
この疑問に応える実証調査研究が、国立研究開発法人 日本医療研究開発機構(AMED)の研究チームによって行われ、昨年その結果速報が発表されました。介護施設利用者約900人を対象に、17種類約1000台のロボットを使って、「どういう効果があるか」について調査したものです。
結果は、「効果が認められる」でした。
寝てばかりだった利用者が歩き始めるなど、利用者の34%に基本動作の改善が見られたといいます。また、触れると鳴くペット型ロボットがいることで周囲との会話のきっかけになり、利用者が活動的になる様子を見られたといいます。

コミュニケーションロボットを利用したいかどうか、利用意向を調べたデータもあります。
総務省が行った「社会課題解決のための新たなICTサービス・技術への人々の意識に関する調査研究」(平成27年)では、介護用コミュニケーションロボットを「利用したい」あるいは「利用を検討してもよい」と回答したのは全体の46.3%。60代以上では54.5%でした。
自分自身の問題となっている中高齢層の間で、コミュニケーションロボットへの利用意向が高いことがうかがわれます。あなたはいかがですか?

詳しくはこちら 〉〉〉
https://www.amed.go.jp/pr/amedsympo2017_14-03.html